第22回 にほんご発表会 ~ にほんごで話すわたしの想い ~


2019年2月3日(日)14:00から中央公民館第2ホールで、にほんご発表会と交流会が開催されました。この会は、狭山市国際交流協会が主催する日本語教室で日本語を学ぶ狭山市在住・在勤の外国人たちがにほんごの学習の成果を発表する機会となっています。

「日本語を学ぶことを通じて日本の文化、日本の人たち、日本の社会にしっかりと溶け込んで一緒にがんばって仲良くしていきましょう」の粕谷会長の挨拶に始まり、22回目の開催となる今回のにほんご発表会には小谷野市長も駆けつけ、出番を控えて緊張気味の外国人のみなさんに「このにほんご発表会がみなさんの母国と日本のよい架け橋となるように。発表者のみなさんも落ち着いて、ありのままのスピーチをしてください。私も人前で話すのが苦手です。ですから話を聴くみなさんもぜひ聞き上手でいてあげてください。」と会場の緊張をほぐす言葉をかけてくれました。

司会は広瀬教室スタッフの嶋崎泰介さんとベトナム出身のビ・ヴァン・バーさんです。発表者5ヶ国17名を含む総勢82名が参加しました。

 

1 劉 靖之くん(中国) 「僕の好きなこと」

小学2年生になりました。本を読むのが好きです。なぜなら頭がよくなるからです。いつもピアノレッスンの後に宇宙や自然の本を読んでいます。本を読むことはとても楽しいです。

2 ドコン・ソーさん(ベトナム) 「日本語の試験」

研修生制度で2年前に来日して日本企業で働いています。真面目に日本語を勉強して日本語検定試験に合格することができてとてもうれしいです。1年後にはベトナムに帰り、今勤務している日本企業のベトナム支社でもっと責任のある仕事に就く予定です。ベトナムでも日本語検定試験を受けていきたいです。がんばります。

3 ニカ・リーンさん(フィリピン) 高校生活

高校2年生。中学2年生の時に来日しましたが当時は日本語がわからず大変でした。日本語教室に通うようになって少しずつ分かるようになってきました。今では友人もでき、友人が日本語を教えてくれるようになりました。今は進路のことを考えていて、英語をもっと勉強したいと思っている。今年の春休みは専門学校のオープンキャンパスに行って将来のことを真剣に考えたいです。

 4 齋藤スパポーンさん(タイ) 「2年目の日本」

タイから日本に来て2年半、娘が4月から小学校へ入学する。去年は日本の小学校で国際理解支援授業に参加してタイの紹介をしました。幼稚園のイベントにもたくさん参加しました。ママ友たちも幼稚園の先生たちもとてもやさしいです。おじいちゃん、おばあちゃんもとてもやさしくしてくれます。私はタイ人ですが、日本に住んで日本も私の国だと思っています。日本に住んで感じたことは、町が静かできれいで、みんながルールを守ること。そして日本の食べ物が、とてもきれいでおいしくて、たくさん食べてしまいます。

 5 ファム・スァン・トァイさん(ベトナム) 「私の夢」

去年7月に来日。ハノイの近くの町から来ました。景色がきれいでおいしい食べ物がたくさんあります。みなさんが来るときは私に声をかけてください。ご案内します。趣味はベトナム料理を作ることです。サッカーをするのが大好きでベトナムのメッシと呼ばれています。サッカーアジアカップで日本に負けたのが悔しかったです。ベトナムのサッカーのよいところは最後まで走り続けることなので、これからもっと強くなると思う。私の夢は、日本で3年勉強してベトナムで日本語を教えることです。そしてお母さんを楽にさせてあげたいです。

6 フランキー・ラファティさん(アイルランド) 「学校のこと」

狭山市で小学校と中学校で働いています。日本の学校について面白いと思ったことを話したいです。日本の学校には「班」があって、「班」は毎日学校で掃除をします。ごはんも食べます。授業でも「班」で活動したりしている。面白いです。また日本の学校では、9月や10月にスポーツイベントがあって、それも色別のグループに分けて競争したり、ダンスをしたり、すごく大きなボールを転がしたりしています。歌のお祭りも市民会館でやっています。日本の学校ではみんなが一生懸命勉強しています。色々な授業があります。でも日本語の勉強は、日本語ではなく「国語」というのが不思議です。

日本の学校では、プールがあって泳ぎも教えるし、体育館もある。体育館でみんなが集まって先生たちのお話を聞く会もあります。日本の学校には、校長先生、教頭先生、教務の先生がいます。アイルランドでは校長先生しかいないし、体育館もないし、音楽の授業もありません。アイルランドの歌は有名ですが、多くのアイルランド人は音符が読めません。給食もないので、外で食べたり、家に帰ったりして食べていました。国によって違いがあるのがとても面白いです。

 7 山岡カンヤナットさん(タイ) 「簡単な日本語」

日本にきて3か月、日本に来る前にタイで日本語を勉強していたので、日本に来ても私の日本語は大丈夫だろうと思っていたけれど、ある時、体調を崩して病院へ行ったときに看護師さんから「アルコールは大丈夫ですか?」と聞かれ、「私はアルコールを飲みません」と答えたところ、看護師さんが「そうですか、いいですね。」と言って記録しないので、不思議に思ったが、よく考えてみたらアルコールはお酒ではなく消毒のアルコールだとわかりとても恥ずかしくなった経験があります。

ご近所の方と「おはようございます」から交流が始まり、ひとりで寂しかった自分に挨拶から元気をもらえるようになりました。日本のあいさつ文化は私の心をとても温かく元気にしてくれるすばらしいものだと思います。

8 チュウ・ティ・キュ・フーンさん(ベトナム) 「日本について」

去年の12月に研修生として来日して、日本語がまだよくできません。これからもっと勉強してもっと日本語ができるようになりたいです。日本のことをもっと知りたいです。

日本の人はとってもやさしい。日本の料理はとってもおいしいです。日本の生活に少しずつ慣れてきました。仕事はとても楽しいです。あと3年勉強していっぱい経験をしたいです。仕事ももっとできるようになりたいです。これからがんばりますのでよろしくお願いします。

 9 ヤー・ジャイさん(タイ) 「自己紹介」

1年半前に来日しました。日本で一番好きなのは、日本の人です。家もとてもきれいで便利です。日本人はみんなとてもやさしいから好きです。わからないことがあるといつもわかりやすく説明してくれます。日本にはおいしい食べ物がたくさんあります。日本の生活で苦手なのはとても寒いことと仕事が難しいことです。今年の11月にタイに帰る予定で、タイに帰った後はタイの日本の会社で働きます。

10 ルオン・ティバン・ゴックさん(ベトナム) 「私の日本での生活」

去年の11月に来日しました。経済が専門、2009年に経済大学を卒業して、大学を出てから家庭教師をしていましたが、今は研修生として日本で働いています。平日は月曜日から金曜日まで働いて、週末は土曜日にスーパーに買い物に行き、日曜日は日本語を勉強しています。日本はとても寒いので雪を見てみたいのですが、ここは雪が見られなくて残念です。今は春を待っています。桜が大好きなので、桜を見に行きたいです。

11 黒澤 娣さん / 美姫ちゃん(中国) 「中国の昔話」

娘さんが描いた絵と共に、中国の「カタツムリさん 小鳥さん」という中国の童謡を歌ってくれました。そして中国の1800年前から伝わる「象を計る少年」という話を紹介してくれました。

12 ファム・ゴック・サンさん(ベトナム)

ベトナムのハノイから来ました。自動車の部品を扱う日本企業に勤務しています。いろいろな人に助けてもらって仕事を覚えてきました。日本で一生懸命学んだことをベトナムで仕事に生かしていきたいです。日本とベトナムの違いは、日本には季節があり、春の季節が一番好き。桜がとてもきれいです。

春は毎朝自分の部屋の窓から見える桜の木や学校へ通っていく子供たちにとても心が和みます。ベトナムにはない自動販売機がとても新鮮です。あと一年でベトナムへ帰りますが、それまでに日本でたくさんいろいろなものを見たいと思っています。

13 梅木チョンラダーさん(タイ)

2012年に来日しました。男の子2人の母です。去年、上の子供が幼稚園に入園しました。幼稚園は毎日バスがお迎えにきてくれるのでとても助かります。幼稚園のママ友もみんな優しくてとてもうれしいです。下の子が今2歳で、今はとても忙しいです。去年は子供たちがたくさん病気になって大変だったけれど、今年はまだインフルエンザにかかっていないから元気です。

14 ビ・ヴァン・バーさん(ベトナム) 自己紹介

今日の司会をしています。2017年9月にベトナムから来日しました。去年の春に稲荷山公園で満開の桜を見て、ベトナムには桜が少しだけしかありませんが、たくさんの桜を見てとても感動しました。夏の七夕まつりでは、阿波踊りに参加しました。暑かったけれどとても楽しかったです。また踊りたいです。ベトナムに帰ったら、日系企業で働きたいです。今、日本に一緒に研修生としてきている彼女とベトナムで幸せな家庭を築きたいです。

15 ウッタラデット・ピーラナッツさん(タイ)

タイではお互いをニックネームで呼び合う習慣があって、自分のニックネームは「ピー」です。ぜひ「ピーちゃん」と呼んでください。会社から日本で2年間研修する機会をもらったので来日して、今は2年目になりました。日本語の漢字はとても難しいけれど、漢字は難しいという考えをぜひ改めて、漢字の勉強はとても簡単だと思うようにしたら覚えられるようになってきました。タイに帰ってもぜひ漢字の勉強をしていきたいと思います。

16 アン・パウォソルーツ・クリティカさん(タイ) 「日本語を勉強します」

エンジニア大学を卒業しました。私自身はコンピューターの中に住んでいるような感じです。インドア派なので家にいるのが好きです。内気な性格なので人と会うのは苦手です。でも自分の性格を変えようと思い日本へ来ました。日本で、勇気をもって人とコミュニケーションをとれるようになってきました。だから日本語発表会にも参加してみました。自分にとって日本語で人と話すことはとても重要なことだと思いました。

17 岡村理亜鈴さん(フィリピン)

2001年に来日、平成最後のにほんご発表会での最後の発表者になれたことを誇りに思います。日本に来てあっという間に18年が経ちました。

今、来日した時のことを思い出すとその頃の自分はとても日本語が下手だったなぁと思いだします。今はだいぶ日本語に慣れてきましたが、まだまだ勉強が必要だと思っています。

日本の小学校に在学している外国人の子供たちに日本語指導員として日本語を教え始めて4年になりますが、日本語の大切さや日本でのルールを教えていくことはとても大変だと思いますが、その子供たちの成長を見ているともっともっと自分も勉強をがんばっていこうと思います。自分もまだまだこの先も日本語の勉強を頑張っていきたいと思っています。

全員の発表の後、狭山市教育委員会教育センター今福雅之指導主事より発表者一人ひとりに感想をいただきました。「日本に来てまだ間もない人たちがこの場に立って発表をすることはとてもすばらしい。」「外国人のみなさんが頑張っているのだから、自分ももっと日本語を勉強していかなければならないですね。」「本が好きな人は勉強がよくできる人になるよ」「狭山を静かできれいだと言ってくれてうれしいですね」「ベトナムで日本語を教えたいという気持ちがとてもうれしい」「日本と自国の違いを変だと思わずに面白いと思ってくることがとてもいい」など、今福先生なりの温かくユーモアにあふれる言葉に、発表者も会場にいる聞き手のみなさんからも笑い声が上がり明るい雰囲気に包まれました。そして、粕谷会長から17人の発表者の代表者2人に賞状と記念品が手渡され、みんなで揃って記念写真を撮影して第一部が終了となりました。

続いて第二部の交流会は、火曜日教室の川口さんの司会進行により、お茶やジュースで乾杯。おいしいお菓子をつまみながらみんなで楽しく歓談。発表者のみなさんは大役を終えほっとしているようです。あちこちで携帯電話やスマートフォンを片手に仲間たちと記念写真を撮る姿が見受けられました。発表会のこの日はちょうど節分、日本での節分の風習を外国人のみなさんに説明し、みんなで福を呼び込むよう「鬼は~そと。福は~うち」と豆まきの掛け声をしてお開きとなりました。

今回の日本語発表会もとても楽しい会となりました。発表者のみなさん、いろいろと準備をしてくださったSIFAスタッフのみなさん、おつかれさまでした。

広報部会 吉沼実理 記

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